機械式駐車場について

埋め戻しの危険性

当社では「埋め戻し」をお薦めしておりません。理由は重いからです。駐車場車1台分を埋め戻すには地下ピット1段で約50トン、2段で約は100トンの砕石を使用し、その上にアスファルトまたはコンクリート重量がかかる計算です。相応の地耐力のある地盤でないと地盤沈下や地震時のピット隆起、偏心率の狂いなど、建物本体への影響があります。

要注意の「埋め戻し」

砕石による重みで地下ピットに掛かる

<埋め戻しができない場所>

  • 建物本体の下にある機械式駐車場
  • ピロティ内にある機械式駐車場
  • 建物本体に隣接している機械式駐車場
  • 屋外でも十分な長期継続地耐力のない機械式駐車場
  • 標準水位が高い場所にある機械式駐車場

機械式駐車場解体後の平面化には砕石でピットを埋め、表面をアスファルト舗装をもしくはコンクリート打設で覆う「埋め戻し」という方法もあります。機械式駐車場撤去後のピットを砕石で埋め、表層をアスファルト、コンクリートで覆う工法です。「埋戻し工法」は、条件がそろえば比較安価な場合が多く、平面化の有力な手法ですが、デメリットとして、埋戻しに使用した大量の砕石の重みや、緩みによって、舗装面の陥没や、建物・周辺地盤に悪影響を与える恐れがあります。さらに、工事完了後も長い目でみれば、舗装面の陥没部分の補修といった予期できない出費が必要になる事態も想定しなくてはなりません。

埋め戻しの3つの問題

砕石の重みで地盤沈下の危険性

地下ピットを大量の砕石で埋めると、重みで地盤沈下や周辺建物への悪影響が生じる可能性があります。

機械式駐車場の場合( 3連3段式)  
車両の重量(9台)
18トン
駐車場本体の重量
8トン
合 計
26トン
砕石で埋め戻した場合
車両の重量(3台)
6トン
砕石の重量
270トン
合 計
276トン

設計時に想定した10倍以上の荷重により地盤沈下の恐れあり

産廃法違反に問われる可能性

地下ピットを大量の砕石で埋めると、重みで地盤沈下や周辺建物への悪影響が生じる可能性があります。

埋め戻しで地下ピットを残置すると、その責任が問われる可能性があります。建築工事に伴って発生する廃棄物は、廃棄物処理法に従って処理することが義務づけられています。

地中に残置した地下ピットが産廃法で問題になる可能性あり

排水能力減少で浸水の恐れ

地下ピットを大量の砕石で埋めると、重みで地盤沈下や周辺建物への悪影響が生じる可能性があります。

機械式駐車場の地下ピットを埋戻すと、必然的に排水ポンプを撤去することになります。敷地内の雨水貯水能力が減少し行き場を失った雨水が、溢れ出す危険性が高まります。

排水ポンプの撤去で敷地内に雨水が溢れ出す危険性がある

「埋め戻し工事」のイメージ

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